序文


光神エリオスと魔王バニコス あい争いて幾千年

戦さは人間と魔物の肉体を借り

大陸の至る処で 血液と生命を奪い合う



アルメキアという王国がある

国の東では 長年にわたり魔竜の軍勢とたたかい

国の西には それを冷ややかに見おろす エルフたちの集落が ”かつて”あった

その集落が オーク兵の急襲にあい

無惨な戦火に焼かれたのは 今からもう 二年も前の話だ







王国の騎士たちが 魔竜の尖兵と 剣戟の火花を散らす日々

オーク兵たちは 山村にこもってエルフを犯し

脈々命々とばかり 大繁殖を続けていた

やがて人間の王や貴族が それに気づく頃には

もはや新たなる戦火は 避けようのない局面へと達していた……