ブロック崩し企画そのA  >>スキップ

郷里・アリアハンから 、冒険に出てはや一週間。
骨のないスライムやカラスたちを蹴散らし進んだ私の前に、
ついに、互角以上の強さで立ち塞がる敵を見る。

まほうつかいCのこうげき!
ミス!
せんしにダメージをあたえられない!

打たれ強い 自慢のボディは、幾多のモンスターの 強打を跳ね返してきた。
だが、この連中とは相性が悪かった。

まほうつかいAはメラをとなえた!
せんしに7ポイントのダメージ!

まほうつかいBはメラをとなえた!
せんしに8ポイントのダメージ!

「く……! やばいかっ!?」

せんしはにげだした!

たまらず踵を返して離脱する。
逃げることは恥ではない、諦めることが恥なのだ。

まほうつかいDはメラをとなえた!


「なんのっ!」

塔の外周を全力で駆ける。
背後から迫る火球を、ギリギリのタイミングでやり過ごした時に
私の重心はゆっくりと、元に戻らない角度で、
足場のない虚空へと傾いていく。

「しまっ……!
 たっ! たっ! たっ、たっ、たったったっ……
 ひゃああああああ〜〜〜〜〜!!??」

どうでもいいことだが、 風がものすごく気持ちいい。
まるで空が落ちてくるように、私の視界いっぱいに迫り来る大地。
地球の重力が、こんなに強いだなんて知らなかったなぁ。

なぜか嬉しそうな顔になってしまっているが、
私の目じりからは、あふれる涙が止まらなかった。

「あ! あ!
 ダメッ! 死ぬっ! 死んでしまううううう!!!」

そして二秒後、私は景気良く、地面に猛烈なキスをした。

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